ワンダースクール通信 1046
夜の森探検隊 2009.8.4

 
「今年はマムシが多いぞォ…」                   カラスウリの花

 今年の「夜の森探検隊」は、7月18日(土)・19日(日)・21日(火)・22日(水)・23日(木)・24日(金)・26日(日)の全7回。たか爺は13日の下見、25日のマムシの正体調べ(!?)を入れて9日間、子供の森の夜のワンダーワールドを楽しむことができました。
 「今年はマムシが多い」という噂どおり、19日にはリッキが1匹、22日にはたか爺が2匹でタッチが1匹、それらしきヘビを見つけてしまったので、最後まで心配してしまいましたが、無事に終ってくれてホッとしています。下見も含めてお手伝いいただいた方たちには、本当に感謝ですね。たか爺の網や捕まえた虫を入れておくバッグを持ってくれたり、高い所にいる虫を採るときに照明係をしてくれた子どもたちも、ありがとね!

  
木の根元に隠れちゃうとマムシにしか見えないけれども、木登り上手なアオダイショウの幼蛇のようだ!?

 でも結局は、マムシによく似たアオダイショウの幼蛇に毎年だまされている感じかな… 19・22・23日に同じ木の根元にいた子は、25日には木の幹に張りついていました。ズームでは写真はブレブレですが全身を見ることはできたので、この子はアオダイショウの幼蛇で間違いありません。
 タッチが見つけた駐車場の縁石の上でとぐろを巻いていた子にもすぐ逃げられてしまいましたが、写真に写っていたしっぽからするとアオダイショウの幼蛇のようだ!? となると、いつも子どもたちにトウキョウダルマガエルの手づかみに挑戦させている溝付近の原っぱを横切ったやつだけが、本物のマムシちゃんだったようです。
 まあ、おとなしくてゆったりしているアオダイショウでも、幼蛇のうちはマムシのフリをして威嚇してきたり、けっこう気が荒い子もいます。毒はなくても噛まれれば痛いので、触らぬヘビにたたりなし!?

  
カブトムシはやっぱり「夜の森」の人気者です

 逆に、sundog師匠が近くの巣を駆除したばかりだったためか、今年は夜遅くまで樹液に残っているモンスズメバチが少なくて助かりました。へっぴり腰で自分で捕まえることができなかった1年生もいましたが、カブトムシは子どもたち自身の手で捕まえてもらうことができましたね。
 18日はカブト♂4・♀2にコクワ♂5、19日はカブト♂5・♀2にコクワ♂5・♀1でノコギリクワガタも♂1、21日はカブト♂3・♀1にコクワ♂5でヒラタクワガタも♂1、カブト日和だった22日はカブト♂11・♀4にコクワ♂4、23日はカブト♂6・♀2にコクワ♂3・♀1でヒラタクワガタも♂1、24日はカブト♂2・♀1にヒラタクワガタ♀1でノコギリクワガタも♂1、25日はカブト♂1・♀4にコクワ♂1でした。「親子でワンダー!」の26日はカウントしていませんが、カブトムシの♀が多かったかな。

  
「図鑑の写真みたい」!?     こんなノコギリクワガタやヒラタクワガタが見つかった日はラッキーでしたね

「図鑑の写真みたい」
 これは、そら。クワガタぬきではちょっとさびしいけれども、これが現実です…
 写真と言えば、自分で撮った夜の森の生きものたちの写真をおみやげにしていたきょうかは、のみこみが早いしセンスも良さそうだから、ネイチャーフォトグラファーを目指せるかもしれません!?
「ウメの匂い」
 これは、みお。毎年「甘い」か「酸っぱい」か「臭い」かの樹液の匂いです。
「そうかなぁ…」
 でも、帰りの車でみおがくれたカリカリ梅を一口かじってみたら、たか爺もハラグッチーも即納得!
「何これ、樹液の匂いじゃん!」
「俺もそう思ったとこ」
「だから、そうだって言ったじゃない」
 なるほどねぇ〜。

 
クワガタの蹴りおとし!?                        ウスバカミキリの観察中

 子どもたちが夏休みに入った土日は特に、毎年親子連れや他の団体さんも見かける夜の森ですが、今年はとても静かでした。18日は誰にも会わず、19日は帰りに1組の父子とすれちがっただけ。たか爺としては、なんだかちょっとさびしい感じ…
 でも、19日にはわずかな自由時間を有効に使って採集に励んでいる受験生、24日には雨にもかかわらず採集に来ていた地元の中学生たちに出会いました。中学生たちとも少しいっしょに樹液ポイントを見て回りましたが、25日には仕掛けたトラップもちゃんと回収してあって、うれしかったですね。26日まで3日間通ってきている子もいましたが、スズキベッコウハナアブは採集できたかな?
 25日には、土手に野田ナンバーの車が1台。たか爺がクワガタ探しに行ってみたいと思っている場所からわざわざ来る人はいないよなぁ…、と不思議に思っていたら、チョウ屋さんとカミキリ屋さんのお爺ちゃん2人でした。近いうちに総理大臣になるかもしれない人が子どもの頃に、チョウの展翅を教えたこともある人!? 中学生2人にもいろいろ教えてくれていたようで、なんだかとてもいい感じの夜の森でしたね。
 画像は虫屋さんたちの人気者! アカアシオオアオカミキリです。

  
ヤブキリ♂          ウマオイ探しは子どもたちの勝ち!?        エゾツユムシ♂

 木の幹にはヤブキリ。コロギスは逃げ足が早くてなぁ… 下草の上では、エゾツユムシたちが今年もにぎやかです。
 23日には(ハヤシノ)ウマオイも鳴きはじめました。初認です。26日には親子で鳴いているウマオイの姿を探してもらいましたが、子どもたちは見つけることができたようです。いつのまにか捕まえて虫かごに入れていた子もいましたね。

  
左からコロギス、サトクダマキモドキ、(ハヤシノ)ウマオイの幼虫かな? かなりあやしいけど…

 幼虫も21日にはコロギス、24日にはサトクダマキモドキ、25日には(ハヤシノ)ウマオイが見つかりました。「幼虫図鑑」でのお墨付きはもらえていないので、かなりあやしいけど…

 
いつのまにかナナフシモドキが帽子の上に!? みんなに大うけです

 26日には、ニホンミツバチの巣を見たりウマオイ探しをしたりしているうちに、いつのまにかナナフシモドキを帽子の上にのせている子がいました!? これはみんなに大うけです。
 18日にはたーしが見つけてくれて、22日には「ニホンミツバチ注意」の張紙の上にいましたね。

 
ベニスズメ                              クルマスズメ
 
カキバトモエ                             ムクゲコノハ

 たか爺はガも好きなんだけれども、写真は撮っても調べられないものが多くてなぁ… ライトに向かって突っこんでくることも多いので、夜の森では子どもたちのビビリの対象!? 4種類だけ載せておきます。

 
「何すんだ! おい、こら、はなせぇ〜!」となかなか元気がよかったクサガメの子ガメちゃん

 23日には出発前の駐車場の水たまりで、しゅうやがクサガメの子ガメを見つけてくれました。「何すんだ! おい、こら、はなせぇ!」となかなか元気がよくてかわいかったですね。水たまりの生きものを狙っていたのでしょうか。
 この日は帰り道の土手の上に、ウシガエルの子ガエルたちも何匹か出てきていました。

  
ニイニイゼミの幼虫        アブラゼミの幼虫  

 今年は雨の夜だった21日はアブラゼミの幼虫のみ、24日はニイニイゼミの幼虫を何匹か見つけただけで、羽化シーンは見られませんでした… 雨の日や風が強い日でも毎年見ることができていたので、ちょっと残念…

  
ニイニイゼミの羽化
 
 
アブラゼミの羽化

 「夜の森探検隊」の最後を飾るのは、やはりセミの羽化シーンです。森の中では木を登りはじめたアブラゼミ、池の近くの林ではニイニイゼミの幼虫たちを見ることができて、すでに羽化が始まっている日もありました。でも、今年も駐車場のまわりが一番のポイントで、羽化ラッシュとまではいかなかったけれども、26日は特に数も多かったですね。何度見ても感動的なメタモルフォーゼです。
 たか爺としては年々はりあいがなくなってきて(…)、今年は夜の森の「音いくつ」や「怪獣さがし」はカット。18日にゆうきが「怪獣さがし」に挑戦しただけです。他の子どもたちの共感は得られているのに、たか爺にはさっぱりわかりませんでした… 歳かぁ… 生きものたちを探して夜の森を歩くだけでも、子どもたちは音や匂いも含めて全身でいろいろ感じとってくれたと思うので、まあいいかな。