ワンダースクール通信 1117
練馬区教育委員会委託講座 ねりま遊遊スクール「春の小川の生きものさがし」 2010.4.30

 
 

 4月3日(土)は、練馬区教育委員会委託講座のねりま遊遊スクールで巾着田。「春の小川の生きものさがし」です。
 ねりま遊遊スクールとしては今年初めての開催ですが、年度が変わったばかりなので区報への掲載が間に合わず、参加者は5家族13名。しかも、ワンダースクールのファミリー会員と以前ねりま遊遊スクールに参加してくれたことがあるご家族だけだったので、たか爺としては毎月の「親子でワンダー」のような感じでかえって良かったですね。
 アシスタントはハラグッチーにお願いして、キッズアシスタントのあきらときょうすけにも手伝ってもらいました。早めに着いたので、まずは2人に小川の生きものたちを捕まえてもらいましたが、予想どおり大正解! 今までは、@たか爺自ら生きものの捕まえ方を実際にやって見せて、Aさらに自らいろいろと捕まえた上で、B参加者に生きものの説明をするという感じでしたが、あきらときょうすけがいれば@Aはすべてお任せです。たか爺よりもいろいろと見つけてくれたり、捕まえてくれたりしますからねぇ〜。
 お天気もよかったので、たも網持参で遊びにきている親子連れが多かったけれども、水の中の生きものの捕まえ方って意外と知らないものです。捕まえ方さえわかれば、あとは手数と経験知だけの問題なんだけどなぁ…
「何にもいないね…」
 小川の中を見ながら歩いているだけでは、入れものはからっぽのままですよね…
「なんだよ、きょうは網持ってお散歩かい?」
 これは「たも網片手に池めぐり」の際に、たか爺がよく子どもたちに言うセリフです。
 この日は正味たったの1時間でしたが、30種類は捕まっていました。参加者の方たちには、一見「何もいない」ように見える小川にも、いろいろな生きものたちが棲んでいることを実感してもらえたと思います。あとはご家族でどこかへ出かけたときにもいろいろと捕まえてみてもらって、親子で調べてみたり、飼える生きものなら実際に飼ってみたりしてくださいね。
 以下、今回の「春の小川の生きものさがし」で捕まった生きものたちを何種類か載せておきます。でも、たか爺の言うことを鵜呑みにしてはいけません… 素人は仲間わけだけにしておけばいいものを、ついつい種名まで断定したがる悪い癖がある爺さんのようですよ!?   

 
ジュズカケハゼ                            カワムツ
 
ギンブナ                                タナゴの仲間は大漁…

 魚の仲間は、他にメダカ・タモロコ・ドジョウ・シマドジョウ・ギバチ・オイカワの10種類。たか爺としては、シマドジョウ中心だった場所がドジョウ中心に変わっていたこと、ギバチの子どもが1匹しか見つからなかったことがちょっと気になるところです。
 でも、そんなことより、なんでこの小川にタナゴがいるの?
 なんと小川の横に掘られていた池に、数日前どこかの釣堀から持ってきた魚を大量に放したとのこと… 聞く人によって500〜2.000匹と数は定かではありませんが、その魚たちが次から次へと小川へ流れこんできていたわけです…
 巾着田管理事務所へ問い合わせたところ、日高市産業振興課の仕業とのことなので、すぐに電話を入れました。あきれたことに、実際に魚を放した人間もどんな種類の魚を何百匹放したのかさえまったく把握していません… タナゴ中心ということですが、他にどんな種類の魚が交じっていたのでしょうか!? もしブルーギルの子どもでも交じっていたら、これはもう「特定外来生物法」違反の犯罪行為となってしまいます…
 とりあえず、放したものはできるだけ回収し、今後このような馬鹿げたことはしないということなので、たか爺もそれ以上は言いませんでしたが、「知らなかった」で済む問題ではありません。でも、こういうことって知らないうちに全国各地で起こっているのかなぁ…
 一応、定期的に巾着田でも「自然観察会」を開催している自然環境課にも報告しておきました。ところが、これがまたまったくの無関心… いったい何のために、自然観察会を開催しているんでしょうか? このご時世、観光資源の有効活用は地方自治体の使命でしょうが、日高市には彼岸花だけではなく、巾着田を流れる小川の生物多様性にも少しは目を向けてもらいたいものですね。

 
時期的にはアオハダトンボ(おませなハグロトンボかもしれません) ニホンカワトンボ
 
コヤマトンボ                              コオニヤンマ
 
ヤマサナエ                              ナベブタムシ

 ちょっと脱線してしまいましたが、トンボの幼虫のヤゴは上の5種類。指標的には「少し汚れた水にすむ」種類が多かったですね。
 ナベブタムシはカメムシの仲間で、トビケラの幼虫の体液を吸う口でチクリとされた人もいました。指標的には「きれいな水にすむ水生昆虫」です。

 
左はモンカゲロウ/右はマダラカゲロウ科(シリナガマダラカゲロウ?) ケースの中で羽化したやつもいました!
 
フタオカゲロウ科(ナミフタオカゲロウ?)            カミムラカワゲラ
 
ヒゲナガカワトビケラ                         エグリトビケラ科のトビケラの巣

 もう少し見つかるかと思っていたカゲロウは3種類。カワゲラは1種類で、トビケラは2種類でした。

 
センブリ科                               ガガンボ科

 かずきが見つけてくれたセンブリの仲間の幼虫は、たか爺も初めて見ましたね。ヘビトンボ目センブリ科でヤマト・クロ・ネグロなどがいるようなので、種名までは調べられません… ガガンボの仲間もわからないよなぁ…

 
カワニナ                                マシジミ
 
スジエビとヌマエビの仲間(旧ヌカエビ?)            アメリカザリガニの子ども

 貝の仲間はカワニナとマシジミの2種類。カワニナが減っているような気がします。
「俺、ニホンザリガニ捕まえたことあるよ」
「どこで?」
「石神井公園」
 これはよくある話… 茶色ければニホンザリガニだと思っている子どもたちが、かなり多いようです。
 エビの仲間はスジエビ・ヌマエビの仲間(旧ヌカエビ?)・アメリカザリガニの子どもの3種類が捕まっていました。

 以下は、この日のアンケートから。
・おさかながたくさんとれてたのしかった
・めずらしい生きものを見れてよかったです
・いろんな生き物のことがわかってよかった
・親も非常に夢中になれた
 ご協力、ありがとうございました。
 講座のほうは12時で終了ですが、解散後もみんな残ってお弁当タイム。結局14時頃まで、生きものさがしの続きです。桜と菜の花がきれいな巾着田で、親子でゆっくり春を楽しんでもらえたようですね。