ワンダースクール通信 1173
赤トンボしらべ〜里山体験プログラムK〜 2010.10.30

 NPO法人むさしの里山研究会の会報『里山通信』用の原稿を転載します。

里山体験レポート 59

赤トンボしらべ

自然体感塾ワンダースクール たか爺

 9月23日(木)の「赤トンボしらべ」は、残念ながら雨になってしまいました…。トンボ自然館の2階をお借りして、赤トンボの講習会に変更です。毎年人気のあるプログラムなので、当初は34名が参加予定でしたが、結局2家族+私が連れて行った子どもたち4名の10名となりました。
 講師はもちろん新井さん。メガネウラから昆虫の体、赤トンボからアキアカネのオスに蓄積されているという汚染物質、アキアカネやウスバキトンボの謎など、トンボの研究者ならではの話は、子どもたちにとっても学校の授業なんかよりはるかにおもしろかったんじゃないのかな。

 

 最後には、標本とすぐれものの「赤トンボの見分け方」下敷を使って、赤トンボの種類を実際に調べてみてもらいました。この日参加した7人の子どもたちは、みんなもうこれで赤トンボ博士!?
 そういえば私も最近、新井さんが昨年出した『田んぼの生きものたち 赤トンボ』を改めて開いてみて、謎が2つ解けましたよ。子ども向きの本かと思っていたら、大人でも楽しめる内容になっていましたね。
 毎年8月中旬から下旬にかけて子どもたちと川遊びをする巾着田で、ヒガンバナ群生地側の木陰の低い位置にとまっているトンボは、なぜマユタテアカネばかりなんだろう? と思っていたら、暑さは苦手なアカネ属のトンボたちも避暑先は違っていて、ナツアカネやノシメトンボは林の高い木の上のほう、マユタテアカネは薄暗い低い場所、ミヤマアカネは暗い場所は苦手なので草むらで過ごすと、ちゃんと書いてあります。
 10月の彩湖での赤トンボしらべでも、今年はアキアカネ以外にナツアカネのメスも捕まったので、どちらも産卵させてみて卵の写真も撮ってみたら、卵の形が違う…。これも、ナツアカネは「球形」でアキアカネは「ラグビーボール状」であると写真付きで載っていました。
 気になっていた謎が解けるのはうれしいものです。で、次にはまた、なぜ違う場所なのか、なぜ違う形をしているのか、新たな謎も生まれてきますよね。この日の講習会では、トンボの目を部分的にマジックで塗ったらどうなるか、羽の一部を切りとったらどうなるかなど、ちょっとかわいそうな自由研究の提案もありましたが、何だって自分で調べてみたり、実際に観察したり実験してみたりして謎を解くことができたら、喜びも100倍!? でもなんだかこれって、今の学校教育からはどんどん失われていっている部分じゃないかと思ってしまうのは、私だけなのでしょうか?

 

 午後は川の博物館へ。子どもたちはクサガメやアメリカザリガニと戯れるタッチプールがお気に入り…。2人がかりでやっと持ち上がった水桶を1人で持ち上げてしまった5年生にはびっくりです。紋切りにはまっていた子もいましたね。