ワンダースクール通信 718
エゾオナガバチとクロヒラアシキバチ 2006.5.30

 
エゾオナガバチ 2006.5.11                      クロヒラアシキバチ 2006.5.15

 5月11日(木)の帰り道、折れて森の縁に転がっているクヌギの木に、オナガバチの仲間が来ていました。
 30〜40oとオオスズメバチ並みの長さの体に、これまた体よりもさらに長ぁ〜い産卵管をもっているので、飛びたつと子どもたちはあわてて逃げまわります。人は刺さないハチなので、大丈夫なんだけれどもなぁ…
 しばらく観察させてもらっていたら、「キリンさんのポーズ!」で産卵を開始。いつ見ても感動的なシーンです。
 こんなに細い針で木に穴をあけるだけでも大変だと思うのに、それから卵をしぼりだすようにして産卵するわけですからね。かなり力も入っていて、ハチの荒い息づかいが聞こえてくるようです。たか爺は経験ないけれども、出産に立ちあうってこんな感じ!?
 たか爺愛用の子ども向きの図鑑には、オオホシオナガバチしか載っていないので、15、6年前に初めて出あったときからずっとそう思っていたら、昨年、羽に斑紋があるやつとないやつがいることに気がつきました。師匠に聞いたら、詳しい図鑑では一応、斑紋のないやつはオオアメイロオナガバチになっているけれども、図鑑に載っているのは10%にも満たないからなぁ、ということ…
 今年はさらに詳しい情報を教えていただきましたが、これはエゾオナガバチになるのかな? 昨年オオアメイロにしておいたやつも、エゾかもしれません。秋が瀬にはいったい何種類のオナガバチがいるのか、気になるところです。6月にちょっと調べてみたいですね。
 15日(月)にはエゾオナガバチのほかに、オナガバチの仲間が寄生する相手のキバチの仲間、クロヒラアシキバチも2匹、産卵に来ていました。こいつも30o近くあってでかいけど、刺される心配はありません。もう1種類来ていましたが、これはすぐに飛び去ってしまいました… オナガバチのオスだったのかな?
ウマノオバチは見たことがある
 と、こうへいですが…
ほんとかよぉ…
 いつどこで何をしているところを見たのか説明してくれないと、説得力0… バーチャルな知識を現実に当てはめるのではなく、今ここに生きている、目の前にいる生きものたちの姿かたちや行動を、もっとよく見る習慣を身につけた方がいいと思いますよ。
 このあと突然、オオスズメバチの女王バチも現れました。幼虫に与えるエサ探しの途中かな。こうへいはビビりまくって、大騒ぎです。子育てに大忙しで人間なんかにかまっていられない女王バチだって、思わず刺したくなるぐらいの大あわてぶり… のぞみは動じず、合格でした。
 こうへいに限らず、現代のバーチャル昆虫少年たちに最も欠けているのは、やはりフィールド・ワークなんでしょうねぇ… とりあえずは、本物のスズメバチに出あったときの行動の仕方を、知識としてではなく体で早く覚えてくれよ。
 それにしても、虫は本当に奥が深い。種類の多さだけではなく、行動にもまだまだ謎が多すぎます。同じ時間、同じ場所に、違う種類のオナガバチたちが産卵に来ていてケンカにならないのも不思議だし、今回のように寄生するやつと寄生されるやつが、同時に産卵に来ているのもなんだか不思議だよなぁ…
 オナガバチはキバチの幼虫に卵を産みつけるという話だけれども、同時に産んでいたらまだ卵同士でしょ!? それとも、今産卵しているオナガバチたちは、咋秋に産卵したキマダラヒラアシキバチの幼虫に卵を産みつけている? まあ、しょせんはたか爺のような素人には、わからないことなんだろうけれどもねぇ…
なんか、ごしょごしょしてる
 これは、のぞみ。ザリガニつりの方は、2人とも1匹ずつ釣り上げてお持ち帰りです。でも、ポリ袋じゃねぇ… こうへいのやつは、いつのまにか脱走していました。のぞみみたいに木の枝にぶらさげておけばいいのに、地面の上に置きっぱなしじゃ逃げられちゃうよなぁ…