ワンダースクール通信 1012
沢の生きものさがし〜里ボラキッズ&ファミリー@-1〜 2009.4.20

 

 ワンダースクールの2009年度は、4月4日(土)の「里ボラキッズ&ファミリー」からスタート。田んぼ生きもの公園の「田んぼの雑草ぬき」が午後からに変更となったので、5人の子どもたちを連れてまずはたか爺お気に入りの風布川へと直行です。現地で1家族5人と合流して、「沢の生きものさがし」ですね。

 
見事なカタクリの群生地の斜面にはエイザンスミレも咲いていました
 
沢沿いで見つけたミヤマキケマン
 
やはり沢沿いで見つけたカテンソウ                カタクリの群生地のセントウソウ

 「名水風布川流域内カタクリ自生地保全管理地」に指定されている山の斜面は、実に見事なカタクリの群生地です。アズマイチゲ、エイザンスミレ、セントウソウの花も咲いていて、ウバユリの大きな葉っぱも出ています。沢沿いではミヤマキケマンやカテンソウも見つけました。
 たか爺としてはのんびりとお花見モードにひたりたいところですが、子どもたちは次から次へといろいろ見つけてくれちゃうからなぁ…
「たかジィ〜! 変なの見つけた!」
「これ、何?」
 「たかジィ」コール攻撃です… とりあえず捕まえた生きものたちを集めておいてもらって、あとでまとめて写真を撮ったり、みんなに見てもらったりしようかと思っていても、なかなかそうはいきませんよねぇ…

 
頭胸部が赤いヘビトンボの幼虫                  頭胸部が黒いヤマトクロスジヘビトンボの幼虫

「何? このムカデみたいなの」
 平べったくて3対の足のほかに腹部には8対の附属器があるので、確かにムカデに似ています。噛まれると痛そうな大アゴもあるけど毒はないので、どうせなら誰か噛まれてみてくれればよかったのにね!?
「頭が赤いのと黒いのがいるから違う種類かも」
 さすが! あきらはよく見てるよなぁ〜。ヘビトンボにも何種類かいるのは知っていたので、帰ってきてからちょっと調べてみることにしました。
 でも、このヘビトンボ以下、この日子どもたちが捕まえてくれたカワゲラやカゲロウの幼虫の名前に関しては、たか爺の言うことを決して鵜呑みにしてはいけません。谷幸三『水生昆虫の観察-安全できれいな水をめざして-』(2001改訂版・トンボ出版)や刈田敏『水生生物ハンドブック』(2003・文一総合出版)等でざっと調べてみた結果です。何しろ何事も適当でいい加減なじじいなもので… 自分でも調べてみてくださいね。
 ヘビトンボの仲間(ヘビトンボ科)は日本に8種。まずは南の方にいる種を除いて、ヘビトンボ・クロスジヘビトンボ・ヤマトクロスジヘビトンボの3種に絞ります。頭胸部が赤いのはヘビトンボで決まり。
 頭胸部が黒い方は、「第8腹節背面上の1対の突起」が基部で接しているか離れているかですが、この写真ではわからない… 最近はコンデジ1本勝負のたか爺ですが、こうなるとやはり銀塩時代のように一眼レフ+50oマクロ+マクロフラッシュが欲しくなってしまいます。でも、コンデジに慣れちゃうともう持ち歩くのが面倒でなぁ… 今度見つけたら、その場で肉眼で確認してみるしかない。
 で、今回は見つかった幼虫の大きさと成虫の出現時期がヘビトンボと同じ6〜8月という点から判断して、ヤマトクロスジヘビトンボということにしておきます… クロスジヘビトンボの成虫は9月頃出てくるらしいので。
 まあとりあえずは、あきらのおかげでたか爺もまたひとつ賢くなったかな!?

 
オオヤマカワゲラの幼虫                      ヤマトフタツメカワゲラの幼虫

 子どもたちは大きなカワゲラの幼虫もかなり見つけていました。「頭部の斑紋」と「上流域に多い」という点から、オオヤマカワゲラにしておきます。羽化も近いようですね。
 どちらも「体長30o以上」なのに、なぜかヒメオオヤマカワゲラという種もいるようです。ややこしい名前はつけないでほしいよなぁ… 「中流域に多い」のと羽化時期が6月となっていたので、今回は候補からはずしました。
 この2種は正確には、「腹部第10節腹面」(今度はひっくりかえしても見ておかないと…)が濃色か淡色か、1対の淡色の小紋があるかないかが同定のポイントのようです。
 小さなカワゲラの幼虫の方は、単眼が3つではなく2つしかないヤマトフタツメカワゲラということにしておきます。 

 
フタスジモンカゲロウ                        フタオカゲロウの仲間

 小さなヒラタカゲロウの仲間の幼虫たちは、ヘビトンボの幼虫に食べられてしまって…
 左上はモンカゲロウの仲間(モンカゲロウ科)。「毛のようにフサフサしたエラ」と「腹部背面にある3本の細い線模様」からフタスジモンカゲロウかな。右上はフタオカゲロウの仲間(フタオカゲロウ科)というところまでにしておきます…
 羽化していたカゲロウも何匹か見かけましたね。

「たかジィ〜! まだ見つかってないのがいたよ〜!」
 子どもたちの目は本当にあなどれません。左の幼虫には、たか爺も初めてお目にかかりました。マダラカゲロウの仲間(マダラカゲロウ科)のオオマダラカゲロウのようです。
 トンボのヤゴは、(アサヒナ)カワトンボ・ミヤマカワトンボ・オジロサナエ・オナガサナエの4種類が見つかっていました。期待していたムカシトンボは見つからなくて残念…
 他には、たか爺のひと網目に入ったアブラハヤ、るかが見つけてくれたヤマアカガエルの卵塊、サワガニなど。
 あきらが見つけてくれたクモは「謎!」のままなので、今度きどばんさんに聞いてみないと…

 風布川はやはり「きれいな水にすむ水生昆虫」中心です。5月6日に「トンボの羽化の観察とヤゴとり」に行く兜川は、「少し汚れた水にすむ水生昆虫」中心になるのでまた苦労はしそうですが、比較ができて楽しみですね。よくわからないサナエトンボのヤゴの方は、今年も赤とんぼの本を出すらしい新井先生がいるからお任せだとしても、たか爺ももう少し勉強しとかないとなぁ…  5月16日はサツマイモを植えたあと「玉淀河原の生きものさがし」の予定でしたが、生きものはやはり風布川の方がおもしろいので、いつもの気まぐれで「沢の生きものさがし」に変更ですね…