ワンダースクール通信 1246
夜の森探検隊 Part1 2011.8.10
7月14日(木)は「夜の森探検隊」の事前調査です。今年も虫の師匠たちの1人のKIMさんが付きあってくれて助かりました。いろいろと見聞きしてしまっているので、たか爺だって夜は1人じゃ怖いんだよなぁ…。
この日には埼玉のヒラタクワガタにこだわっているという2人の学生さん、別の日にはやはり埼玉のコクワガタにこだわっているという若者にも出会いました。たか爺もどちらかというとマイフィールドの生きものにこだわるタイプなので、なんだかとてもうれしかったですね。
以下は、この夜の虫たちから。
スズキベッコウハナアブ(&ニレキリガ) モンスズメバチ(&ニレキリガ)
スズキベッコウハナアブは今年も健在。『埼玉県レッドデータブック2008 動物編』では「準絶滅危惧」で、「日本産本属中の最稀の1種で、成虫や幼虫などはときにスズメバチ類の巣から発見される事がある。(中略)埼玉県からは、加須市(下高柳)の民家の下駄箱に営巣したモンスズメバチの巣の下の堆積汚物中から1♀成虫の引用記録がある。」となっています。2005年の「夜の森探検隊」で子どもたちが見つけてくれたものが埼玉では2例目!?(ワンダースクール通信745)
2006年からは毎年、日没前後の短い時間帯だけ樹液ポイントで見ることができています。スズメバチの巣に寄生して、幼虫はハチの死体などを食べて育つというなんとも不思議なハナアブですね。たか爺としては、2005年はチャイロスズメバチの女王バチを初めて捕まえた年だったり(ワンダースクール通信591)、「チャ・チャ・グロ」の体色も似ていたりするので、チャイロスズメバチとの関係が気になるところですが、他の地域ではコガタスズメバチ・キイロスズメバチ・モンスズメバチ・オオスズメバチの巣からも見つかっているようです。なんだかよくわかりませんねぇ…。
モンスズメバチはセミが好きなグルメなハチで、日没後も活動するので夜の森の樹液ポイントでは常連さんです。いい場所を独占していたオオスズメバチたちが巣に帰ると、個体数も増えてきます。
でも今年は、「夜の森探検隊」最終日の30日に、ワンダースクール史上初の犠牲者も出てしまいました…。たか爺としたことが一生の不覚です…。痛い思いをさせてしまってごめんなさいね。幸い大事には至りませんでしたが、樹液ポイントからは離れた場所にいたにもかかわらず、小さな働きバチが明るいLEDのヘッドランプに飛びこんでしまったようです…。
ニレキリガ ベニスズメ
『みんなで作る日本産蛾類図鑑』で調べて「新・蛾像掲示板」で確認してもらったニレキリガは、初めて見ました。今までスルーしていただけかもしれませんが、スズキベッコウハナアブやベニスズメとほぼ同時刻に二桁は集まってきましたね。ニレ科のエノキやケヤキが食草です。
ベニスズメも多く、この木だけでも5〜6匹は集まってきました。まさしく夜の蝶!?
フシキキシタバ ムクゲコノハ
フシキキシタバも毎年普通に見られて個体数も多いのですが、なぜかこれも埼玉県では「準絶滅危惧」。「食草はクヌギだが、産地はやや局限される。いずれの産地も大径木のまとまったクヌギを主とした林である。」となっています。ムクゲコノハはたか爺好み!?
オオミズアオ ノコギリカミキリ
オオミズアオはKIMさんが見つけてくれました。そういえば今年は、鳥に食べられたあとの羽を拾っただけでしたね。和名の大水青もわかりやすくて、本当にきれいなガです。学名のArtemisはギリシア神話の狩猟と月の女神ですが、最近変わっちゃったのかな?
触角がギザギザのノコギリカミキリは、子どもたちに鳴き声を聞かせたかったところですが、この日しか見られなくて残念でした。
コロギス ナナフシモドキ
この日はヤブキリもマダラカマドウマも1匹ずつしか見なかったのに、コオロギの仲間でもキリギリスの仲間でもないコロギスはなぜか3匹も見ましたね。ナナフシモドキも1匹。
コクワガタ アカアシオオアオカミキリ
コクワガタは今年も例年並みでひと安心。たかがコクワガタ、されどコクワガタです!? アカアシオオアオカミキリもかなり出ていました。そういえば今年の「夜の森探検隊」では、カミキリ屋さんには会いませんでしたね。