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竹細工と子ども

 
水鉄砲づくり               こんなアクセサリーも簡単に作れます

『子どもと自然大事典』(2011・ルック)
第2部「子どもとモノ」 第1章「子どもと道具」より

 竹は竿の内部が空洞なので、子どもでも切りやすい。また繊維に沿って割りやすく、削るのも楽である。ノコギリは竹専用のものを使わないと刃こぼれしやすいが、竹細工は子どもがノコギリやナタ、ナイフなど、ネイチャークラフトで使用する道具の使い方を覚えるためには最適かもしれない。
 竹は昔から竹馬や竹とんぼ、弓矢や水鉄砲など、子どもの遊び道具を作るためにもよく利用されていた。空洞を活かして、節を一つ残して二回ノコギリで切るだけで、コップにもペンたてにも花瓶にもなる。節を二つ残して切り、ナタで半分に割ればお皿にもペン皿にもなるし、割らずにコインが入る切れ目を入れてえぐりとれば貯金箱にもなる。
 こういった古典的なものだけでなく、子どもの年齢や使える道具によって、そして何よりも子どもたち本来の創造力をもってすれば、さらにいろいろなものが作れるだろう。耐久性からいくと、竹が水を吸い上げなくなる冬に切ったものを使いたい。また直射日光のあたる場所に置いておくと割れてしまうので、保管にも注意が必要である。
 私は里山の保全活動に取りくんでいるNPOが管理している孟宗竹の竹林で、子どもたちとタケノコ堀りや竹細工を楽しませてもらっている。現在は放置されて荒廃した竹林も多いが、なんとか有効活用したいものである。真竹を切った竹ヒゴを編みこんでいく本来の意味での竹細工は日本の伝統工芸品であり、農具や漁具、竹篭や竹笊という生活用品としてかつては私たちの暮らしに深く関わっていたことも、子どもたちに伝えていく必要があるだろう。


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